デザインを議論できること
ビジュアルは言葉で表せないほど情報量が多く議論するポイントも多岐にわたります。
対して言葉は解釈できる幅が狭いので、他者と議論するポイントを絞ることができることが特長です。
デザインに限らずモノゴトを言葉にする目的はステークホルダーとなる他者とモノゴトについて議論して何らかのアクションを生み出すためでしょう。
ですから「カッコいいよね」とか「なんかいい感じ」「かわいい」「これ俺の好きなヤツだよ」「ダサいね」「気分じゃない」などといった感想を言い合ってデザインを語った気になり満足するのは、友人や家族との買い物に言ったときなど仲間内だけで成立する会話であり、議論できているとは言いません。
このような仲間内の会話で語られていることはお互いが感じた感想だけです。なぜそう感じたのかという事実が足りません。
またデザインを言語化して議論する目的は何らかのアクションを生み出すですから議論の末の結論が必要です。ですからデザインを語るときは事実を言葉にしてその事実から得た自分の感想を言葉にして自身の結論を導き出し、その導き出した言葉を発し合うことで議論が生まれるという順序になります。
本ログではデザインを言葉にし、自分なりの意見としてまとめるところまでに絞って考えていきたいと思います。
デザインを理解する
デザインを言葉にする目標の一つにデザインをより理解することがあります。
デザインを議論する目的は単に自身の好みを主張するためではありません。ここではプロジェクトとしてデザインをよりよいものに練上げるために議論することを前提としますので、主張する内容が議論する相手に理解されなければなりません。
自由に自身のイメージを組み立て発信していくことをアートとすれば、新たな視点を提供することと作品が完成すればアートは成立しますが、デザインは製品を作り上げる行動を指していますから関係する他者(ステークホルダー)に理解してもらうことはとても大事です。
そのためには主張する内容を他者に理解してもらうには自身でデザインを理解する必要がありますから、デザインについて知識があった方が有利です。そのため本ログでもできるだけデザインについて説明していきます。
デザインを言葉にするために必要な条件
デザインを言葉にして議論する。このベースになる行為はデザインの批評です。「批評」とは広辞苑では「物事の善悪・美醜・是非などについて評価し論ずること。以下略ー」とあります。デザインを批評しデザインを議論するためには以下の点が必要になる3項目です。
デザインの言語化に必要な要素3項目
デザインの言語化に必要な要素として、前述の内容をまとめると以下の3項目が揃うことが必要になります。
- 事実を言葉にする(読みとく|認知する)
- 感想を言葉にする(気になるポイントを捉える)
- 自身の意見をまとめる(提案する)
本ログで検討するデザインの範囲
まず本ログの適用範囲について明確にします。
このログではデザイン対象を視覚と触覚で捉える2次元と3次元のモノに限定します。ここに含まれないデザイン対象物としては音楽、料理、アロマや香水など聴覚・味覚・嗅覚で捉えるモノゴトは含みませんが、シーケンスを持つアプリなどでの操作音などユーザーインターフェースの補助的なサポートは含むものとします。
視覚で訴えるデザインされるものとして主なものはグラフィックです。ムービーも視覚に訴えますが音の影響が大きいのでここでは動画でも時間軸を含むデジタルアプリケーションやWEBでの操作上必要な、グラフィックにシーケンスと呼ばれる一連の操作の流れ、 ユーザーが文字を入力したり、ボタンをクリックしたりする部分で、直接ユーザーが目にすることのできるインターフェース部分のデザインだけを含むものとします。
では次項からデザインを言葉にするための方法について記していきます。
ではまた!
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