わかりやすいデザインの説明とは

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 デザインを簡単に説明できるでしょうか?

 デザインは算数のように1+1=2と確定されているような単純なことではありません。さまざまなモノゴトを盛り込むことで相互に関係が生まれ複雑になることが多くあります。このように複雑になったデザインの説明を被説明者が受けても簡単には理解しづらいと感じることが多くあります。

 理解しづらいことを人は難しいと感じますから、デザインを説明する説明者もデザインの説明は難しいと感じるのだと思います。

 では難しいモノゴトにはどんな特徴があるか見てみます。

難しいと感じるモノゴトの特徴

 この難しいモノゴトには以下の特徴があります。

  1. そのモノゴトが未知の知識で構成されている(見たことも聞いたこともないなど)
  2. そのモノゴトの構成が複雑で俯瞰できない(相互関係が多岐にわたり理解できない)
  3. そのモノゴトが熟練性を求めるもので体が思うように動かない(運動、絵や字を描く、歌うなど)

 このうち3)はスキルに関する難しさです。デザインに関するスキルではスケッチをできる限りうまく描くことは必要なスキルですが、ここではデザインの説明に焦点を当てていますので割愛します。

 この難しいモノゴトを分かりやすくするには説明者はどうすれば良いでしょうか。

情報格差を埋める説明

 1.は被説明者に未知の知識を説明し情報格差をなくすことで回避されます。

 つまり見たことのないまたは聞いたことのない知識について被説明者が理解できるように説明します。

 まず全ての被説明者に共通していることは自分に興味のあることと、興味のないことでの情報量の差は非常に大きいということです。

 しかし少なくてもデザインの説明を受けようという被説明者はデザインに興味は持っているはずです。興味はなくても少なくてもデザインを理解する必要性は感じているはずです。

 大切なのは被説明者の知識を推し量りながら説明することです。幼児であれば経験が非常に少なく知っていることは限定されますし、生徒や学生では学校で習う知識レベルは学年で推測できますが、経験値の個人差は大きくなってきます。

 被説明者がビジネスパーソンである場合は従事している仕事に関する経験値は上がり知識量も増えますが、仕事外の知識量は相対的に低く大きな差が生まれます。

 これらの情報量の差を説明で埋めていくことがわかりやすい説明には必要になります。

構成を概念毎に分解して行う説明

 2.の相互関係とは製品が持つ役割などの概念が多岐に渡る場合に、異なる概念が相互に関係しあい絡み合っているため、それをひとめでは理解できないため難しいと感じてしまいます。

 ですから相互関係により難しく感じるモノゴトの説明には、概念ごとに分けて別々に理解してもらうよう説明していくことが大切です。そしてそれら概念の最も重要な関係性だけに着目して全体像(システム)を説明することで分かりやすくなります。その際枝葉末節は割愛するくらいでちょうど良いかもしれません。

 この中でシステムとは、例えば動物の体を説明する際、主な機能に分けて、周囲の情報を知覚し脳へ集めそこから行動の司令を送る神経系、栄養を吸収するため食料を消化吸収する消化系、それに運動するための血液を心臓から送る循環器系、と分けて説明します。それぞれの役割はそれほど複雑ではありませんのでこれらを個々に説明しこれらがシステム化されていると説明します。すべてをまとめて理解しようとすると途端に複雑に感じます。

 またグラフィックの場合、デザインを構成する要素となるイラストレーショや文字それ自体は、紙面のどこにどのような形でも提示されていてもユーザーはそれを認知することは可能です。しかしグラフィックデザインの役割は、それら要素の形態、カラーなどが異なると同時に、それぞれ大きさや配置により伝えたい内容を的確にユーザーに伝え、ユーザーをエンパワーメント(力を与える)する必要があります。

 このグラフィックデザインの場合でも、各要素が製品のアイデンティティを主張することを主な機能にしているのか、またはユーザーの見やすさのための配慮なのか、全体のデザインの作り込みから必要なのか、という担っている役割を説明(機能を説明)し、その役割に応じた配置がされていることで、伝えたい内容を的確にユーザー伝えパワーを与えるか、という説明が被説明者に対してわかりやすい説明になります。

 このように複雑なモノゴトは全体を一括で説明するのではなく、主な機能に分けて説明することがわかりやすい説明には大切です。

 難しいモノゴトを説明する方法はわかりました。次にこれをデザインに詳しく当てはめていきましょう。

ではまた!

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