いままでさまざまデザイナーのスケッチを見てきましたが、本書に掲載されているスケッチはとても丁寧に描かれています。
「拙い線描で、未知をまさぐる」と題した本文に「スケッチとは頭の中に去来している不安定な着想を、この世界の次元に引っ張り出す営み」とスケッチの役割の記述があり、「同時にスケッチを、上手な写生を描くことのように、上達を目的とするものと捉えることは避けなければならない」とスケッチはあくまでもデザインという仕事をするうえで頭の中を見える様にするメディアであって、デザインの成果物ではないと記しています。
選ばれて掲載されているスケッチはこれらはこの主張を裏付けするように抽象的な形態も紹介されていて非常に見応えがあります。
巻末近くにグラフィックデザイナーのラース・ミュラー氏の「ドローイングという技法を決して侮ってはならないという力強い戒めを伝えている」という記述にあるとおり、手で描くことの重要性を改めて考え、上手でなくても手描きの線画でスケッチを描こうと思える本です。
デザイナーだけでなくエンジニアやビジネス・アーキテクトの方々にも手にとってみてください。
「 」は本文より引用です。
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