LATCHの法則を活用して情報整理する

latch デザインディレクションの知識・ノウハウ・スキル

今回は情報整理に便利なテンプレートのL・A・T・C・H法の紹介です

LATCHとは

 様々な情報を整理する方法の一つとして、「5つの帽子掛け:LATCH」という方法を紹介します。
LATCHとは「究極の5つの帽子掛け」と呼び、情報は無限に近いくらい存在していても、全ての情報を整理出来る方法としての基準は、この5つしかないという提案です。

L:場所(Location)

場所による分類です。これは分類したい情報そのものの場所による分類だったり、分類した後にどこに置くかという分類もあります。

A:アルファベット(Alphabet・50音など検索に用いる文字列)

検索するときにとても便利な分類法です。アルファベット、50音、などなじみのある文字列でも1,2,3といった数列に従って分類します。

T:時間(Time)

時間軸に従って分類する方法です。

C:カテゴリー(Category)

どのような類型化でも構いませんので、概念や外観などがここに当たります。

H:階層(Hierarchy)

昇順だったり降順だったり、分類したいモノが並べられるものであれば、その順序通りに並べて分類します。

LATCH法の生い立ち

 この情報整理の方法は、アメリカの電話帳や様々なガイドブックの情報デザインを手がけたアメリカ人の建築家・グラフィックデザイナー・TEDの創始者の一人であるリチャード・ソール・ワーマンによる著述「それは情報ではない-Information Architects-無情報爆発時代を生き抜くためのコミュニケーション・デザイン」/リチャード・S・ワーマン著・金井哲夫訳」に記されいます。しかしこの本でワーマンはこの情報整理の分類分けをテンプレートと記し、LATCH法とは記していませんが、一般的にLATCH法と言われていますので、ここでもLATCH法と標記します。

 この情報を始めて知ったのはマガジンハウス社のブルータス誌だったように記憶しています。当時商品企画担当だった私は主だった雑誌をチェックしていた中で出会いました。このテンプレートは情報を分類する手始めの手法として、とても使い勝手が良いことが判り、様々な場面で活用させてもらいました。

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LATCH法の活用事例

 乗用車を評価する検討項目を5項目に当てはめて一覧にしてみます。

LATCH

 表を見ていただくとヒエラルキーに相当する項目が27項目、カテゴリーが25項目、時間が2項目、ロケーション(例えば価格には地域差があるなど)が9項目、ここではアルファベットはありませんが、この乗用車がカタログへ掲載する際に50音順で載ればアルファベットに相当します。

 比較項目の分類は出来ました。しかし表を見ても解るように、表の左に物理サイズ、機能、などカテゴリーの中にロケーション・時間・ヒエラルキーとの相互の関係性が発生し入れ子構造になっています。

 つまりカテゴリーで分類された中に、LATCHで分類することができる項目が上位階層から一方向に分割する方法ではうまく分類しきれないということです。これには検討項目が一意に決まる内容以上に選択する人それぞれのさまざまな概念が入り込み、内包する概念が異なるため分類しきれない課題とも言えます。

LATCH法の注意点

 検討項目を種別ごとに分類する方法では、整理はされますが、それぞれが指し示す項目は多くの概念を持つためですが、比較的シンプルな検討課題を分類する最初の方法としては使い勝手の良い思考法だと思いますので、使ってみてください。

デザインの評価方法

このLATCH法はデザインを評価するために使えないかと考え調べました。

直接デザインの評価には使うことは難しいと思いますが、評価に至る前段階での情報整理にはとても有効でした。

デザインの評価方法についてはこちらにまとめましたのでご覧ください。

ではまた!

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