操作性評価

usability-evaluation-operability デザインディレクションとは

操作性

 製品のユーザインターフェース(UI)とシーケンスのデザインは、製品を操作する上で適切かを評価します。

ユーザインターフェース(UI)とシーケンスのデザインとは

 インターフェースとは広辞苑によると、「機器や装置が他の機器や装置などと交信し、制御を行う接続部分のこと。特にコンピューターと周辺機器の接続部分、コンピューターと人間の接点を表す。(マン‐マシン‐―)」とあり、ユーザインターフェースを人と製品の接点として記していきます。

 人と製品の接点は、ユーザーが何らかのインタラクションを求めて操作する部分で、製品を使う時に握るグリップや、ドアの開閉のために押し引きするハンドル。また操作にシーケンスを持つ製品では、操作するためのボタンやキー、ダイヤルなどです。さらに操作を促すフィードフォワードと操作した結果を戻すフィードバックなど、製品によって多岐に渡ります。

 シーケンスとは同じく広辞苑によると、「(「ひと続き」の意)①(映画用語)幾つかのシーンを寄せ集めたひと続きの画面。一場。②遺伝子・ゲノムの塩基配列。またそれを解析すること(シークエンシング)の意で用いることもある。③トランプで、数の連続した同種の3枚以上の札。」とあります。

 シーケンスを本ログでは「製品の操作を目的に、インターフェースを用いてフィードフォワードを認知しながら操作を行い、製品のインタラクションのフィードバックを受ける」という一連の流れを指します。

デザインディレクションでの操作性評価のポイント

 デザインディレクションをするうえで操作性を評価するには、操作するインターフェースそのものをハードウエアとして評価するポイントと、シーケンスのわかりやすさを含めたソフトウエアとして評価するポイントがあります。

  • 操作するインターフェースをハードウエアとして評価する。
  • シーケンスを含めたソフトウエアとして評価する。

操作するインターフェースそのものをハードウエアとして評価する。

 ここでは実際にユーザがインターフェースを使って操作を行うことを評価しますから、ハンマーのような操作が単純でユーザが持ち上げて振り下ろすという製品では、シーケンスというよりも製品の重心点やグリップが滑りやすくないかといった点がUIの評価規準となります。

 様々な機能や選択肢を持つ製品であれば、インターフェースであるシグニファイアとしてのフィードフォワードが認知しやすいかという点や、操作部品の物理的な数・サイズ・形状・色・質感が認知しやすいかという点、操作の作動量や重さなどユーザーが操作していることを知覚できるフィードバックが認知しやすいか、などを個別かつ総合的に評価することが大切な判断規準になります。

 このためにはアイデアスケッチ段階でもインターフェースを簡単なラピッドモックアップなど作成し、実際の操作をシミュレーションして確認することが大事です。

 できればユーザと想定できる被験者を集めて、ラピッドモックを操作している様を観察できるようにすればさらに精度が上がります。

 認知性を良くするためといっても、製品のサイズを越えてインターフェースの数は増やせません。またヒューマンスケールを無視してインターフェースのサイズをどんどん小さくしていくことも限界があります。

シーケンスを含めたソフトウエアとして評価する。

 シーケンスを必要とする製品の場合、ユーザに操作している内容を認識してもらう必要から、製品の操作方法をユーザにフィードフォワードするため、インターフェースの操作位置を視覚に訴えるグラフィックやランプ、または画面による案内、聴覚に訴える方法や触覚に訴える方法などを用意しますから、これらについての評価規準を作る必要があります。

 また操作した結果をユーザに認識してもらう必要がありますから、製品の操作状態をユーザにフィードバックするために視覚に訴えるグラフィックやランプ、または画面による案内の変化が必要になりますから評価規準が必要です。聴覚に訴える操作音、触覚に訴えるクリック感などの表現についても評価規準を作っていきます。

 製品のUIがグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)になるとインターフェースとなるグラフィックモチーフの形態・色・サイズなど変えて表現できますから組み合わせは膨大になり、シーケンスの自由度は飛躍的に高まり製品のユーザビリティ評価に大きく影響します。

 このように大切なユーザビリティ評価ですが、製品を無限に大きく出来るわけではありませんから、製品の実体概念や機能概念に大きな影響を与え、操作性は認知性とトレードオフの関係になります。そのためアイデアスケッチ段階から主要な部分を確認する必要があります。 

 アイデア段階でも、インターフェースに用意できる手段やサイズを簡単に紙などでラピッドモックアップでのい検証と合わせて、操作によって変化するシーケンスを主要なモードでGUIを原寸大で書いたペーパープロトタイピングモデル(シミュレータならなお良い)を作成し、実際の操作をシミュレーションして確認することが大事です。

 こちらもユーザと想定できる被験者を集め、ラピッドモックとペーパープロトタイピングモデルを操作しているところを観察できるようにして精度を上げていきましょう。

 次は快適性評価について記します。

 ではまた!

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