デザインの評価とは
デザインを仕事にしていない人が、急にデザインに対してのコメントを求められたり、デザインを決める立場に立った場合、デザインをどう評価して良いか見当がつかないことがあると思います。
デザインに限らずモノゴトを評価する場合で考えると、たとえばスマホであれば評価する項目はすぐにたくさん思いつくと思います。iPhoneかAndroid、画面のサイズ、ストレージ容量、価格、大きさ、重さ、etc…
これらの項目はすべて仕様・性能・機能で、デザインについては評価していません。
ではデザインを比較するにはどのような評価項目が必要でしょうか?(デザインディレクション視点でのデザイン評価についてはこちら)
デザインの主な評価規準
製品の評価規準としてもっとも上位に位置するのは、User Experience(ユーザ経験、以降UX)の提供がユーザーを満足させているかです。
このUXはさまざまな概念がユーザはゲシュタルト(詳しくはこちら)というひとかたまりになって認知しています。
そして製品の外観となる形(形態)、カラー、質感がどのように作られているかがあります。
デザインは製品の外観から得られる仕様・性能・機能に従った結果発生する機能美や、既存品との違いから生まれる新規性や進歩性といった新たな価値の提示という刺激。
さらに製品のブランドイメージ、価格、入手ルートや購入時の経験などを含みます。
この多岐にわたるデザインの評価規準を洗い出し、さまざまな製品に使える規準になるよう、まとめ直すと以下の3点になります。
(A)アイデンティティ評価
製品がUXを満足させるために、特徴を的確に表しているかを評価します。(詳しくはこちら)
(Aー1)ポジショニング評価
製品は求められるポジショニングを的確に表現できているか。
(Aー2)ブランディング評価
製品は背景となるブランド・アイデンティティ(BI)とコーポレイト・アイデンティティ(CI)を適切に表現しているか。
(Aー3)製品コンセプト評価
プロジェクト特有の概念とその優先順位が的確に表現できているか。
(B)ユーザビリティ評価
製品の使い勝手は、想定のUXを満足させられるデザインになっているか評価します。(詳しくはこちら)
(B−1)認知性
製品を使う際にアフォーダンス(詳しくはこちら)からユーザ・インターフェイス(UI)へは認知しやすく導いているか評価します。
(B−2)操作性
UIは適切な操作性を有しているか。これには一連の操作の流れを含み評価します。
(B−3)快適性
製品デザインは認知性・操作性などを介して快適な使い勝手を実現しているか評価します。
C)デザインクオリティ評価
UXを満足させるために製品のデザイン品質はアピアランスとして見えるところから、メンテナンス性や経時的な変化という購入時点でユーザには分からない部分まで、ユーザを満足させられる作り込みが出来ているか評価します。(詳しくはこちら)
(Cー1)オリジナリティ評価
製品の作り込みにオリジナリティ性があるか評価します。
(Cー2)デザイン・ポリシー評価
製品のあらゆる箇所が全てが同一のデザインポリシーで貫かれているか評価します。
(Cー3)洗練度評価
製品はポジショニングに相応しい洗練度に達しているか評価します。
デザイン評価規準まとめ
これらA、B、Cの評価規準はそれぞれがデザインを評価する「評価する際のものさしの種類」です。それぞれの製品は、製品のカテゴリーやブランドに従ってさらに細分化されたものさしを持っています。
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