デザインを言葉にする重要性

optimise.jp デザインを言葉にする

デザインとビジネスの関係性

 「デザインを言葉にする」これは簡単なようにも思えますが、慣れていないと案外難しいことだと思います。

 私は電気工学科を卒業しエンジニアとしてキャリアをスタートしました。モノづくりに携わるなかでエンジニアリングだけでなく製品そのものの存在についても考える必要性に気づき、製品を作る源流にさかのぼって職種を変更していきましたので、設計者→商品企画者→事業企画者そしてまたモノづくりのため現場へ戻り、プロデューサー→クリエイティブディレクター→デザイナーと経験しました。

 これらの経験の中で強く感じたことは、ビジネスの根幹は企画とデザインだということです。そしてこの企画とデザインの両輪が上手く噛み合わさったときビジネスは上手くいきます。

 またキャリアを遷移していくなかで、それぞれの職種は絡み合い機能しますから、エンジニアとして設計者がデザインを分からなくて良い訳はありません。なぜこのデザインなのか。それを理解しないで機構設計すると設計上の都合だけが優先されてしまいます。例えばユーザーインターフェースは主要な機構や素子を取り囲むように配置するのが最も効率が良いとしても、デザイン的には認知性や操作性を考慮して並べたい。という要望がデザイナーから来たとします。

 そのときデザインに関心がなければ、そんなことはコスト的に無駄だといってデザイナーの意見を聞かないということが起き得ます。これは企画者(ビジネスパーソン)でも同じことがあり得ますので、デザイナーとの齟齬が起きてきます。

 このようなとき、デザインについてデザイナーがエンジニアや企画者と虚心坦懐に話し合えることが大切ですが、デザイナーがデザインの説明が上手くないと齟齬は埋まらず製品の完成度も上がりません。

デザインを上手く言葉に出来ればプロジェクトは上手くいく

 しかしデザイナーがどんなに広く深く考えてまとめたアイデアでも、ビジネスではビジネスパーソンなどステークホルダーを説得必要があります。いくら素晴らしいスケッチが描けても、そのアイデアが斬新であればあるほどスケッチだけではステークホルダーに理解してもらうことは難しくなります。既知のモノゴトでないのですから見ただけで理解するのは難しいと思います。

 デザイナーがデザインを言葉にすることを軽んじているわけではないと思いますが、自身のデザインはスケッチした完成予想図を見ればだれでも理解できると誤解しているためだと思います。

 ビジネスパーソンもプロジェクトの成否を握るKFS「Key Factor for Success(重要成功要因)」は経済合理性だけでなくデザインが優れていることが必要条件であることは十分理解していると思いますが、スケッチを見ただけで理解できないデザインが腑に落ち投資を決断するためにはデザインへのより深い理解が必要で、そのためにはデザインを言葉にすることが求められます。

次からこのデザインを言葉にするために方法をまとめていきます。

ではまた!

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