ビジネスパーソンがデザインを語らない理由としてデザインを自分事として考えていないため、自信を持って意見を言う事を控えているのだと思います。
でも自分の服や服飾雑貨、所有する車やオートバイ、ロードバイクなどの乗り物、または趣味の道具については一家言ある方も多いと思います。対象物に興味を持って自分のこととして考えれば自ずと意見は出てきます。
これらからデザインについて語らない理由をまとめてみます。
デザインの対象物に興味が湧かない
対象となるデザインを自分事として考えられていないことが問題です。どんなデザインにも自分なりに考えを見出すことが大切ですが、仕事だから仕方ないと消極的にならず、好奇心の湧く方向性を考えてみることです。
以前とてもかわいいキャラクターを専門に扱う企業の経営層の方々とデザインのコラボレーションについて打ち合わせをした時です。その方たちは皆さん新卒でその企業に入社し30年近く働いてきたということでした。「学生時代から〇〇ちゃんが好きだったのですか」(〇〇ちゃんは動物のキャラクター名です)とお聞きしたところ、「まさか、全く興味はなかったし、今も興味はありません!」と キッパリとおっしゃられました。その企業の営業本部長という肩書なのに私は不思議でたまりませんでした。そのためかキャラクターの説明はすべて担当者に任せ、私には取引の拡大についての依頼があり、ビジネス条件を揃えることにしか興味がないようで、デザインは私に一切任せるので対価としてロイヤリティは△%で一切の例外はありません。というだけでした。
私は非常にがっかりしました。当該のキャラクターで今までにはあり得なかった製品を作ってみようと考えていたからです。デザインのコラボレーションとは名ばかりで、キャラクターグッズを作ることがコラボレーションという定義だったことに気づきました。
この例は極端かもしれませんがデザインの対象物に興味がないビジネスパーソンは至るところに存在します。しかし少なくてもデザインについて議論すべき機会にデザインに興味がないと公言してしまわないようにする必要はあると思います。普段からそのキャラクターの動物としての種類や習性など周辺情報を蓄えるなど興味津々に好奇心を働かせることが大切です。そうすればそのキャラクターの家族を作ろうとか、巣となる家をつくるなど、企画案にもつながり、その先のデザイン案にもつながる可能性が高くなるからです。
デザインのアイデアが出せないので話す資格がないと思っている
デザインのアイデアが出せないという課題は、デザインを言葉で言い表すことができないことも原因の一つです。デザインを言葉で言い表わすことでデザインへの取っ掛かりができれば、その言葉の延長線を考えたり、反対の方向に振ったらどうなるか、また今あるアイデアに対抗するようなアイデアはないか、などの関係性を言葉で考えることができるようになりますから、ある程度は解消されると思います。そのためにはまずはデザインを言葉にすることが大切です。
アイデアを表すスケッチが描けないので話す資格がないと思っている
スケッチについては前項の「デザインのアイデア」がなければ描く内容が生まれませんから、アイデア出しが先決です。ということはデザインを言葉で言い表すことが、デザインを語るようになるためのすべての源流になります。
まずはデザインを言い表すことから始めよう
デザインを語らない理由はデザインを言葉にして言い表せないことが原因です。自信を持ってできないことは、組織体で上席者になるほど失敗できないという気持ちから、試してみることも出来なくなってしまうと思います。
しかしデザインを言葉にして語ることでデザインを自分事として積極的に関与し実践していくことが大切です。
デザインを言葉にする方法を考えます。
ではまた!
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