デザインを依頼する際のまとめておく情報
デザインを扱い始めたばかりのビジネスパーソンがデザインをデザイナーへ依頼する際にどんな情報を準備したら良いのかについてまとめます。
まとめておく情報はプロジェクト条件とデザイン条件と製品コンセプトの3つです。
プロジェクト条件とは所与の条件・ミッション・解領域を指し、デザイン条件はデザインテンション・デザインゴール、それと製品コンセプトです。
プロジェクト条件とは所与の条件・ミッション・解領域
所与の条件とは
どのような製品でも制作にあたり準備され、デザイン依頼時にデザイナーへ与えられる条件です。自社から調達できるリソースと、製品ができた後、マーケティングで従う業界のルールや慣習を含みます。
「リソース」とは辞書によると「資源、財源、資産」とあり、プロジェクトでは、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」を指します。
リソースには製品の開発費としてスタッフの人件費や管理費を始め、作業を外注する場合の費用が含まれます。また量産する製品であれば材料費と加工費に加え、金型代や設備投資費用、販売するための営業経費など多岐に渡る費用が含まれます。
マーケティングで従う業界のルールや慣習とは、製品をマネタイズする際に対象となるユーザーがどのくらいのコスト負担を許容できるか、その際の経済条件などを指しています。
リソースには製品の開発費として、スタッフの人件費や管理費を始め作業を外注する場合の費用が含まれます。また量産する製品であれば材料費と加工費に加え、金型代や設備投資費用、販売するための営業経費などがリソースに含まれます。
これらの情報を整理整頓して必要性に優先順位をつけておきます。
(デザインディレクションの立場から見た詳細はこちら)
ミッションとは
ここで言うミッションとは、営利企業では利益を上げる。ブランドの価値と認知度を上げる。また有望な人を集めたい。などが入ってきます。これら複数の目標をバランス良く達成することがプロジェクトでは求められます。
プロジェクトを行う目的であるミッションを考える際に、プロジェクトを構成する様々な視点から概念を集めていきます。経済条件がすべてではありません。
利益額が低くてもブランドイメージを保つうえで必要なプロジェクトがあったり、利益率が高くてもユーザに悪いイメージを与えたのでは事業の永続性を毀損させるプロジェクトもあります。
ここではプロジェクトのミッションを再確認しまとめます。
(デザインディレクションの立場から見た詳細はこちら)
解領域(Solution Domain)とは
プロジェクトにおいて設定したミッションを達成するために最も適したソリューションの領域が解領域です。
製品を売るためには、4Pや4Cなどに代表されるマーケティング要素がありますが、それらのどこ(領域)を刺激する(解となる)かを決めたものです。
「ブランドサイトを立ち上げる」と決まったり、「既存の製品の販売強化キャンペーンを打つ」など、プロジェクトのドメインは大きく変わりますから、精度の高い検討が求められる重要な情報です。
(デザインディレクションの立場から見た詳細はこちら)
注)
4PとはProduct・Promotion・Price・Placeで製品・プロモーション・価格政策・販路の4つを指し、供給者側からみたマーケティング要素です。
4CとはConsumer・Customer Cost・Communication・Convenienceで顧客・顧客コスト・コミュニケーション・利便性の4つを指し、ユーザ側からみたマーケティング要素です。
所与の条件の整序
これら所与の条件、ミッション、解領域の検討によって「プロジェクト条件」が決まります。
デザイン条件とはデザインテンション・デザインゴール
デザインテンション(シュパンヌンク)とは
デザインテンションとは、形や、形と形の間で生じている、見えない力と方向性(ベクトル)表す概念です。 この見えないベクトルが見る者に与える認知が、デザインのイメージサイズと方向性を誘導する大切な情報です。
デザインテンションにはヒエラルキがあり、シンメトリで静的な表現はテンションが低く、アンシンメトリで自由形状が用いられる動的な表現はテンションが高いという表現になります。
テンションはCIやBIから生まれ育まれてきた製品のアイデンティティそのものを表している場合が多い概念です。
テンションの高いものは既視感が弱く先進的に見えることが多く、低いものは既視感が強く伝統的に見えることが多いことが特徴で、「ブランドらしさ」を表現する根幹を表す概念になります。
一般的に高級品は長く使うことを想定してデザインのテンションは低く抑えられます。対してコモデティは市場での繰り返えされるコンペチタとの過酷な競争のなかで販売の現場で目立つことが求められるため、テンションは高く設定されがちです。
デザインの発注時には既存のブランドでテンションを今までと同等にしたいのか、それともイメージチェンジを狙ってテンションを変えるのかを明確に示すことが必要です。
(デザインテンションの詳細はこちら)
デザインゴールとは
デザイナーにデザインを発注するにあたり、デザイナーのアイデアを研ぎ澄ますために必要になるのがデザインゴールです。
求めているデザインの範囲を狭く追い込めば追い込むほどアイデアは深くなります。
逆に求めるデザインの範囲を広く取るとアイデアは多く出てきますが、考えが浅いアイデアになってしまいます。ですからデザイナへデザインを依頼するときには、出来る限りデザインの検討領域を狭く絞ることが大切です。
(デザインディレクションの立場から見た詳細はこちら)
デザイン条件の整序
これらデザインテンションとデザインゴールの検討によって「デザイン条件」が決まります。
製品コンセプトとは
製品コンセプトとは「製品の特徴を表した概念」です。
製品開発を複数で行うためには、製品に期待されている特徴を正確にメンバー間で共有する必要があります。
デザイン開発する前の製品に姿はありません。未知の製品を表現するために言葉で製品を表すしか方法がありません。この言葉で製品に求める特徴を表現した情報が製品コンセプトです。
(デザインディレクションの立場から見た詳細はこちら)
まとめ
デザインを依頼する際は以上のまとめておく情報はプロジェクト条件とデザイン条件と製品コンセプトの3つです。
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