言葉によって情報を限定できる
デザインとはビジュアルで表現されます。そのためスケッチやレンダリングでの表現が重視され、言葉にすることの重要性がなおざりにされがちです。しかしビジュアルだけでのデザインの解釈は人によってばらつきが大きいです。
対して言葉は解釈できる幅を限定していくことができます。ただし組み合わせは無限です。
文字の指し示す範囲は仕組みや構造がはっきりしているしているため、それを無視して自由に理解するとおかしなことになります。
例えば「箸のように細い」と言ったら、その対象物の太さは5mmから10mm程度の範囲に限定できます。
このようにビジュアルでは伝えきれないデザインを言葉にすることで伝えることができます。 デザイナーとしてアイデアを考えるときに言葉で考えることで強制発想法として使えます。
例えば見出しの大きさを変えてみたら、バランスを不安定に変えてみたら リズムを出してみたら といった感じです。
デザインをしていて、これで完璧だな、と思うと、もうこれ以上変えようがないと自分で思い込んでしまうことがあります。これは盲点を作ってしまうことになります。デザインを言葉にしてみることでの盲点を外すことができることもあります。
- デザイン(ビジュアル)は見る人によって解釈は様々、指向性・環境・知識・経験などが千差万別。
- 文字(言葉)は解釈の幅を限定できる。抽象度を下げて意味を限定して使う。
これが強制発想法としての使い方
デザイナーとしてアイデアを考えるときに言葉で考えることで強制発想法として使えます。
例えば見出しの大きさを変えてみたら、バランスを不安定に変えてみたら リズムを出してみたら といった感じです。
デザインをしていて、これで完璧だな、と思うと、もうこれ以上変えようがないと自分で思い込んでしまうことがあります。これは盲点を作ってしまうことになります。デザインを言葉にしてみることでの盲点を外すことができることもあります。
これが強制発想法としての使い方になります。
情報(説明)の次元
最も高次な表現方法は製品そのものを作ることで、制作するためには高度かつ様々なスキルが必要です。立体物を製品と同じ素材またへ擬似的な素材で作るスキル+時間に従って重力・燃焼・電気などのエネルギーとそれらを制御するスキルで、動作についても製品同様に動作するモックアップで製品の試作品がこれに当たります。
次に高次のモノは3次元の立体物です。モックアップがこれに当たります。こちらも動作についてはユーザーの想像で補うか、動作の代表的な場面をモックアップで作って補ってもらいますので、スキルとしてはモックアップを製品同様に正確に作るスキルが必要で専門的な職人技が要求されます。ここでユーザビリティ検証などと限定されたデザイン検証のためにラピッドモックアップと呼ばれる簡易的なモックアップを作ることがあり、ここからデザイナーが自らが簡単へ材料や加工法で作ってみることができる領域です。動作も紙芝居のように代表的な動作例を絵としてデザイナーが描きシミュレートしますので、修練が欠かせません。
次は2次元でありながら3次元に見えるレンダリングです。XY座標しかない2次元上に遠近法を使ってあたかも3次元でモノが存在しているかのように見せる技術です。必要なスキルはコンピューターグラフィックスで比較的簡単に作れるようになりましたが手書きで描いていくためには修練が必要です。これが通常デザイナーが動作は紙芝居のように代表的な動きを絵として描き動作をシミュレートし、こちらも修練が欠かせません。
次は2次元のポンチ絵や図面です。3次元のモノを様々な角度から見た2次元の絵として描くことでユーザーが頭でその形状を想像します。そのためのスキルは共通言語となる製図法という描き方をマスターすることです。動作は紙芝居のように代表的な動きを絵として描き動作をシミュレートします。
そして最も単純な表現方法は時間経過を伴いながら説明したり、読んだりする(1次元)言葉です。最も高次の3次元+動作の情報を言葉で綴り、それを読むなり聞くなりして自身での考えを巡らしたり他者へ伝えるときも言葉を使用します。
図を見てください。
どの次元の情報も言葉を介して伝えられます。
ですからこの1次元の言葉での伝達は最も簡単であり特別なスキルは必要ないのですが、言葉で表現するには、話す内容を的確に捉え順序よく話をまとめることで、ズレを少なくしてデザインを他者へ伝えることが可能になります。
この様にデザインを考え、他者へ伝えるためには言葉にすることが出発点であり、デザインを言葉で上手に話す練習もデザイナーとして欠かすことの出来ないスキルです。
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